1999年度一般会計決算についての討論
No.7
日本共産党京都市会議員団は提案されています平成11年度決算のうち、報第10号京都市一般会計歳入歳出決算、報第12号京都市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、報第20号京都市駐車場事業特別会計歳入歳出決算は認定せず、その他は認定するとの態度を表明していますので、私は日本共産党市会議員団を代表してその理由を述べ討論いたします。
本決算を認定しない第1の理由は、長引く不況のもとで伝統地場産業など中小企業の相次ぐ倒産と事業の縮小、2信金破綻による経済の更なる地盤沈下など、深刻な京都経済の危機が続いているのに、市民が今1番求めている不況打開と京都経済立て直しの効果ある対策をとらなかったことです。
島津問題に象徴されるように京都の「まちづくり条例」や「商業集積ガイドプラン」は大型店出店ラッシュ・まちこわしの歯止めにはならないことは明らかです。また、京都経済は、西陣など伝統地場産業の相次ぐ倒産や大型店出店ラッシュによる商店街の衰退など、戦後最悪の状況にあります。ところが市長は「バブル崩壊後は沈滞・低迷にあるが、京都においては「元気策」によって元気な雰囲気が醸成されてきた」との答弁を繰り返し、空前の連鎖倒産を引き起こしている繊維業界や、貸し渋り保証渋りで苦境に立たされている中小企業の実態調査さえ拒否をする有様でした。
みやこ・南京都の2信金破綻に関しても、今年1月に経営破綻が表面化して以来、市民の中には不安の声が広がっていました。ところが9月議会の決議、今議会の請願採択、相次ぐ全会派による申し入れがあったにも関わらず対応の遅れが目立っています。12月1日、近畿財務局主催の「中小企業金融に関する京都連絡会議」で2信金の事業譲渡の全容が明らかになりました。2信金の貸出金合計は、1兆2千億円から1兆3千億円といわれていますが、そのうち2信金の自己査定によって3千5百億円・2千件が整理回収機構RCC送りになりました。更に債権の精査が進む中で、2信金の貸出金のうちRCC送りは、合計約5千億円・約3千5百件以上に上ると言われています。今重要なのはRCC送りを通告された業者が、新たに取引金融機関をみつけたり、資金援助をどうするかということです。11月16日には「安定化融資」の7号認定適用が決まっていたのに、市民に広報されたのが11月29日です。12月18日がタイムリミットと言われていますから、毎月40件の倒産が発生している京都経済を更に落ち込ませることにならないよう、市長の責任において早急に具体的な支援策を示すべきではないでしょうか。
第2の理由は介護保険問題で国民の8割以上が不安をかかえ、まともな制度を望む声が広がっていますが、高齢者福祉の充実を求める市民の強い要望に応えていないことです。
介護保険制度がはじまり、要介護認定を受けて、限度額いっぱいまで利用するひとが非常に少なく実態は限度額の約4割しか使われていません。利用料が高いためにサービスを自ら控えるという傾向は更に広がっています。今年10月からは1号被保険者の保険料徴収が始まりましたが、介護保険料徴収の通知が郵送されると、市民からの苦情や問い合わせが殺到し、その数は1万件に及びました。そして今度は、1号被保険者のうち普通徴収者の、10月分の保険料未納者へ送られた督促状に対する問い合わせが区役所に殺到しました。金額で56.25%、人数で57.98%の徴収率ですから、4割強が未納です。年金が月1万5千円以下の方ですから、半額徴収といってもかなりの負担になります。そして、滞納した場合は償還払いや給付停止というペナルティがまっています。お金が無ければ介護が受けられない訳です。決算委員会で我が党議員は、「国の制度だからと、国の言いなりになるのか、それとも、制度の欠陥や不安を利用者の立場で少しでも改善を図るのか」と追及しましたが、理事者は、「国の動向をみて」と冷たい答弁しかされませんでした。国に制度の改善を求めるのは当然ですが、低所得者への保険料・利用料の減免が早急に必要です。
第3の理由は不況の中で厳しい生活を強いられている市民に対して、市民犠牲のリストラ「市政改革行動計画」を推し進め、市民負担増の決算だからです。
職員には、異常なまでのサービス残業を押し付けながら、この3年間で職員を1300人削減し、市民には、難病連の補助金カットや保育料の毎年値上げなど、市民犠牲を押し付けました。さらに許せないのは、来年度予算の編成にあたって、各局に「値上げの半分は自由に使っていい」というとんでもない値上げ誘導の通達を出していることが明らかになったことです。
中でも生活保護行政は目に余るものがあります。経済的にも精神的にも追い詰められて大変な思いで福祉事務所に相談にいかれた市民に、厳しい就労指導や申請前の検診命令など憲法や生活保護法に抵触しかねない実態があります。生きる希望を失わせることがあってはなりません。また、コミュニティバスが全国あちこちで喜ばれているというのに、京都市は市民の足を守るどころか市バス路線の縮小や見直し、管理の受委託など市民の願いを踏みにじってきました。独立採算性を見直し、公共交通の役割を果たすべきです。
第4の理由は、深刻な財政危機から京都市の財政を立て直す事が緊急の課題となっているのに、ムダと浪費にメスを入れず、借金財政の体質を更に推し進め、財政危機を進行させたからです。
京都市の市債残高は毎年増えつづけ,H11年度は総額9141億円に膨れ上がりました。全国の自治体では、大型公共工事の見直しが進んでいます。ところが京都市は、「見直すべき事業はやっていない」と開き直る一方で都市基盤整備の名の下で、市内への高速道路建設や迎賓館建設の計画を推し進めています。名古屋や尼崎の公害訴訟では、国や道路公団の汚染防止対策が問われました。京都高速道路計画について京都弁護士会の「意見書」は、H9年制定の環境影響評価法に基づき再アセスすべきと提言していますし、世界の流れは高速道路見直しの方向です。財政・環境両面から見ても、高速道路計画は思い切った見直しをすべきです。
第5の理由は、同和行政終結に逆行する決算だからです。同和事業は、全国的にも終結にむかっている中で、市長は解放同盟の集会で「同和問題を解決するには、少なくとも一世代はしっかりとした財政的支援が必要」として相変わらず解放同盟支部への補助金を出し続けています。北区の集会には分かっているだけで300万円が出されていますし、学習会と称しての温泉旅行にもいまだに公金をだしています。京都市基本計画の中でも、法期限のH13年度末には同和対策事業を終結するとしながら、「一般施策により同和問題の早期解決をはかる」との記述を残しています。また、同和改良住宅の建て替えを優先させた新たな「まちづくり」の動きや、定員割れしながら一般入所を制限している同和保育所をみても、同和特別対策の継続は明らかです。21世紀にゆがんだ同和行政を継続することはゆるせません。
あわせて、環境問題でも、遅れた分別収集でリサイクル率は全国最低ランクにあり、事業系ごみは毎年増えつづけています。大型ごみの有料化で不法投棄も増え、ごみ減量計画とは逆の方向に進んでいます。「環境先進都市」と言いながら、大岩街道沿いの小型焼却炉が基準法違反の飛灰や黒煙を撒き散らしているのにきっぱりとした指導をせず、ついに1つの焼却炉から環境基準の4.4倍ものダイオキシンを出してしまいました。それでもまだ、周辺住民の健康調査を行わず、住民の不安は募るばかりです。
次に、国民健康保険事業特別会計も認定できません。その理由は長引く深刻な不況のもと、国保加入者は1、528人1、130世帯増えたにも関わらず保険料収入は15億8563万円の減収になっています。これは、国保加入者の生活実態がいっそう厳しくなっていることを示しているのではないでしょうか。一般会計からの保険給付費等繰入金は1億1千万円の削減になっています。一般会計からの繰り入れを増やすべきときなのに、減額して赤字を拡大していることは許せません。さらにその赤字のツケを「10年間で1回しか値上げをしていない。協力をお願いしたい」と、保険料の値上げで市民に押しつけようとしています。国の財政負担による抜本的な制度改善を求めることは当然です。厚生省が滞納者に対する制裁措置を強めたことや、介護保険料の上乗せで、滞納者はますます増える事が懸念されます。保険料滞納者に対する一律的な短期証や資格証の発行は絶対にすべきではありません。そのことを強く求めておきます。
決算委員会の中でも論議がありましたが、財政危機の中、来年度予算方針で「税金で取れないなら公共料金で」と全面値上げの市民負担増や、「敬老乗車証」や「介護者激励金」をはじめとした公的市民サービスの切り捨ては、市の責任放棄です。特に、「補完性の原理」と称して、まず、市民自らの自助努力を、それがだめな場合は、NPOや企業での共助を、そして最後に、どうしてもだめな場合だけ、公助として行政が負担するとした、公的責任放棄による市民いじめは許せません。財政再建と行政責任を遂行するためにも、ムダの見直しが必要です。21世紀にむけて、「新基本計画」が本当に市民のための市政となるよう日本共産党市会議員団は提言を申し入れましたが、市長がこの提言の立場で市政すすめめ、待ったなしの切実な市民要求に答えられることをもとめて討論といたします。
ご静聴ありがとうございました。