「2001年11月定例市会」代表質問
No.3
小泉内閣の医療改悪について
伏見区選出の西野さち子です。私は日本共産党市会議員団を代表いたしまして、社会保障問題を中心に市政一般について質問いたします。
先の9月議会で我党は、小泉内閣が進めようとしている医療保険改革に対して、自治体や被保険者の負担増ではなく、国庫負担を計画的に元に戻し、薬価の見直しなどの医療保険制度の改革に取り組むべきとの意見書を提案いたしました。健保自己負担を2割から3割に引き上げ、老人保険制度の適用年齢を75歳まで段階的に引き上げるなどの改革は、国保制度が破綻の危機に直面している多くの自治体や国民に出口の見えない矛盾を押し付ける事になります。お金の切れ目が命の切れ目とも言われ、国民の不安はますます大きく広がっています。例えば、上京区のある開業医の方は、「開業して15年になるが、うちの患者さんで10人の自殺者が出ている。仕事に行き詰まり、病気を苦にして自らの命を絶つ人がほとんどです。病気になっても、病院にいけないんです」とおっしゃっています。また、北区の泌尿器科の先生は、「最近高齢者に前立腺ガンの方が増えているが、外来で注射での治療ができるようになりました。治療は月2回必要ですが負担ができないため、1回しか来られない。1割負担の8000円は払えないんです。」と心配されていました。また、いま医療機関にかかっておられる方数人にお聞きしましたところ、50歳台の方ですが「いろいろな検査をして薬を貰ったら7000円かかった。もう病院にはいけない。」と言う方や、お聞きしたほとんどの方が「薬は1日3回のところを1回か2回にして少しでも薬を貰う回数を減らしている」とおっしゃっています。昨年南区で、医療機関にかかっておられ、入院を勧められていた国保料滞納者が治療に来なくなったため探していたら、長岡京市の空きビルで亡くなって発見された、と言う事もお聞きしました。京都府保険医協会の調査によりますと、医療保険改革が行われますと、特に70歳〜74歳の負担増が著しく、一般の外来で5.8倍から10.8倍になり、在宅患者で11.4倍と言うケースまで出るという事です。ですから受診中の70歳以上の患者さんのうち7割が、受診回数を減らすと回答されています。病院にも行きにくく、薬も医者の指示どおりに飲めない現状です。この上更に「痛み」を押し付けるというわけですから、国民の健康を真剣に考えない、理不尽きわまる改革といわざるを得ません。京都府医師会の「健康きょうと」と言うパンフレットでも、「こんな制度改革が本当に日本のためになるのでしょうか。増えるのは患者さんの痛みばっかり」とかかれています。本日のある新聞では京都市地域女性連合会や多くの団体のこうした記事も載っています。今年度の京都市の国への予算要望には、「被保険者や地方自治体に負担を転嫁することなく制度が長期的に安定するような医療保険制度の抜本改革の早期実現」と有ります。京都市民の健康を守るために、市の国への予算要望にも逆行し、国保財政を更に悪化させる小泉内閣の医療改悪に、市長が先頭に立って反対すべきです。社会保障費にしめる国庫負担の割合を、1980年から8年間で10%、9兆円も減らしている事は重大です。国保や老人医療など、へらし続けていた国庫負担を計画的に元に戻すように、国に対してはっきりとものを言うべきだと思いますがいかがですか、お答えください。
<桝本市長>
現在、厚生労働省の改革試案が論議されている。かねてから国に医療保険制度間の格差解消、被保険者や自治体に負担を転嫁せず、長期に安定した制度の抜本的改革を要望してきた。9月市会で採択された意見書の趣旨をふまえ国にはたらきかけていく。
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介護保険について
低所得者対策
つぎに、介護保険制度についてお伺いいたします。制度開始から1年が経ちました。保険料は10月からは今までの倍額徴収ですから、ますます払いにくくなっています。滞納して介護を受けられなくなる事態が起こりかねません。10月から低所得者の救済制度の1つとして、第2段階の人を対象に減額制度がスタートしました。当初対象が3000人といわれていましたが相談件数1,300人でそのうち適用が172人と当初の予想よりかなり少ない現状です。何故でしょうか。原因の1つは厳しい基準では有りませんか。例えば収入基準で見ますと、京都市は、一人暮らしの方で96万円以下ですが、千葉市では、132万円、仙台市では120万8千円です。預金で見ますと、京都市は家族の人数に関係なく100万円以下ですが、千葉市は世帯の収入基準の2倍以下、仙台市は1人暮らしの方で241万6千円、家族2人で342万2千円ですし、大阪市は350万円以下となっています。京都市の場合2人暮らしで1ヶ月12万円以上の収入が有れば減額の対象になりませんから、生活保護基準以下です。他都市と比べても基準が厳しいと言わざるをえません。これで低所得者の方達を救う事になるのでしょうか。本当に困っている人を救うために基準の緩和を求めます。また、対象になる方でこの制度をまだご存知ない方が多いのも適用人数が少ない要因の1つではないでしょうか。払いたくても払えない人のために、せめて第2段階のひとには全員に減額制度のお知らせを郵送するなど、もっと広報すべきです。いかがですか。また、介護保険利用料の1割負担ができないために、介護を減らすという実態も有ります。介護保険利用料の減免制度の創設を求めます。
基盤整備をー特養はまったく足りない
またこの介護保険制度は、「自分でサービスを選ぶ事ができる」と始まったはずの制度ですが、来春に開設が予定されている特別養護老人ホームでは、70人定員のところに600人の申し込みがあったということですし、北区のある特別擁護老人ホームでは700人の待機者が有る等、施設がまったく足りません。先日、我党議員団で横浜へ視察に伺いました。横浜市では、施設から名簿を提出してもらい、本人や家族に面接をしておられました。いろいろな困難や問題もあったということですが、それでも「正確に実態を知る必要がある」と延べでなく、実人数での待機者数を調査しておられました。次期計画を立てるためにも、特別養護老人ホーム待機者数を実数で把握すべきです。そして、むだな公共事業を見直し福祉に財源を回すことで、早急に施設建設を急ぐべきですがいかがですか。
市立病院に専任の手話通訳者配置を
つぎに、市立病院の手話通訳者についてお聞きします。専任の手話通訳者が配置されていません。そのため、聴覚障害者の方は、まず、FAXを聴覚語言障害センターに送って手話通訳者の予約をしなくてはなりません。勤医協札幌病院は民間ですが、聴覚障害者の受診率が低いのは問題があるとして「障害者が病気を我慢して通訳者の都合にあわせたり、予約してからでないと治療ができないということのないように」と、専任の手話通訳者を配置されています。以前は聴覚障害者の年間受診者数が約350件程度だったのが現在では1600件をこえて、実に受診率は四倍になっています。また、専任にされた理由として、医学用語の通訳が難しいという事もあるという事です。京都市では障害者手帳の発行数は年年増加していますし患者数も増加しています。障害者だからと受診の機会を奪う事は許されません。民間ではなかなか難しいことだからこそ、公立病院がその役割を果たす事が求められています。1日も早く市立病院に専任の手話通訳者を配置すべきですがいかがですか。
<井尻保健福祉局長>
・市独自の低所得者対策は、真に保険料負担が困難な方に対する当面の緊急措置であり、現行の基準はその趣旨にそった妥当なものと考える。
市民周知については市民新聞と合わせ配布した「介護保険特集号」に制度を記載するなど努めている。
利用料は、高額介護サービス費を3段階とし訪問介護、社会福祉法人による減免や災害などでの減免措置を講じている。
・基盤整備は、在宅介護の充実と施設の着実な整備をはかっているところ。次期計画のサービス必要量は、本年度実施予定の介護サービス利用者や特別養護老人ホーム申込者の動向実態等を調査する要介護高齢者等実態調査の結果を踏まえ検討する。
・市立病院の専任の手話通訳者の配置は、手話通訳が可能な職員の育成に努め、聴覚言語障害センターの手話通訳者派遣事業を活用している。専任配置は現在の受診状況や厳しい財政事情等から困難である。
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交通問題
公営交通を破たんさせる規制緩和凍結を
つぎに交通問題についておききします。来年2月からバス事業の規制緩和が始まります。当初市長は、「規制緩和になれば大変なことになる。厳しい」と危機感をもっておられました。ところが、9月議会では規制緩和を逆に歓迎するような姿勢に変わっています。河内副市長は、「規制緩和は事業者に創意工夫を発揮させ、よりよいバスサービスが提供される様になる」、「府の地域協議会に市も参画して生活交通の空白地をつくらない議論をしている」と答弁されました。しかし、バス事業に自由に参入出きるとなれば、黒字路線は、どんどんバスが走り、お客の取り合いをするが、赤字路線は廃止と言う事になり、交通空白地を増やすことになるのではありませんか。これでは、市民に対してあまりにも無責任と言わざるを得ません。市民の足を守るためにも、公営交通を破綻させる規制緩和は、凍結するように、今からでも国に対してはっきりと意見を言うべきです。市長のお考えをお聞かせ下さい。
醍醐地域に小型循環バスを
私は2年前の立候補の際に「醍醐地域に小型循環バスを」と公約に掲げ、住民のみなさんとともにねばり強く運動を広げてきました。一部では「出来もしないこと」と冷たい声もありましたが、地域の大きな願いは党派を超えて広がりました。そして、9月の企業決算特別委員会市長総括質疑で、「醍醐地域に小型循環バスを走らせる必要がある」との私の質問に対して市長は、「交通弱者にとっても、魅力ある地域づくりをすすめる観点にたっても、コミュニティバスの導入は大変大きな期待が寄せられている。住民のみなさんの要求に応え得る方策を樹立したい。精一杯努力する」と答弁されました。醍醐地域での循環バス運行は、いよいよ実現の運びになってきましたが、京阪バス任せにするのではなく、京都市が責任をもって、広く住民の皆さんの意見をきき、走るからには、本当に住民の皆さんが望んでおられるバスにすることが重要です。走ったがガラガラのバスでは意味がありません。小型・低床・100円のバスは、全国的にもふえていますし、住民のみなさんの願いもそこにあります。市民の願い実現に向けて市長の決意をおきかせください。
<河内副市長>
・改正法の施行に伴い、生活交通の確保は都道府県主催の「地域協議会」で必要な措置を協議するとされている。国には、規制緩和凍結でなく、生活交通確保の支援策の充実を要望していく。
・醍醐地域のバス輸送については、5月に与党会派で京阪バスにバスネットワークの充実を要望。京阪バスから現有車両を活用した小循環系統を前向きに検討すると回答された。引き続き協議していく。
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「きょうと男女共同参画推進プラン」(素案)について
「平等・開発・平和」の理念を位置づけた施策の推進を
次に10月に発表されました「きょうと男女共同参画推進プラン」の素案についてお聞きいたします。京都市の「第2次女性行動計画」は、基本理念に「基本的人権の尊重と両性平等」を掲げられています。この事は、日本国憲法や世界女性会議の「平等・開発・平和」の理念と一致しており、評価できるものです。しかし、今回示されました、「素案」からはこの理念がすっかり抜け落ちています。何よりも、ニューヨークで起きた同時多発テロに対して、アメリカが報復攻撃を続けているいま、「平和・核兵器廃絶」を日本政府を始め世界に向けて発信する事が最も求められていますし、全てのプランは平和な社会が守られてこそ進められるものです。ところが、「素案」では、「平和」については、ほとんど触れられていません。伏見区小栗栖地域には、戦争の犠牲者と言うべき中国残留日本人孤児帰国者の方やその2世3世の方達が大勢住んでおられます。私達の身近なところに今も戦争の傷跡が残っています。1995年に第4回世界女性会議で採択された「北京宣言」では「平等・開発・平和」が明確にされました。素案では、基本方針で少しだけふれられていますが、これでは非常に不十分です。「非核平和都市宣言」の具体化を盛り込むべきですがいかがですか。
DV(ドメスティックバイオレンス)シェルターの設置を
2つ目の問題は、昨年1年間の夫から妻への暴力の検挙数が全国で、1、O96件も有り、女性に対するあらゆる暴力の根絶をいいながら、具体的施策に夫や恋人などの暴力から女性が1時非難するためのシェルターの設置が消えていることです。「ネットワークを通じた被害者の総合的支援」「母子生活支援施設等における保護・指導・生活援助の充実」とあるだけです。来年四月から都道府県の設置義務になりますから、京都府にたいして設置を急ぐように要求すると同時に、147万市民に責任を持つ京都市としてシェルターの設置を盛り込むべきです。
自営業者における女性の就業環境の改善を
3つ目の問題は、深刻な不況のもと、女性労働者は真っ先にリストラの対象にされたり、相変わらず男女の賃金格差は大きいままという現状もある中で、女性が働くための条件整備についての項目が、5月に出された「京都市男女共同参画懇話会」の提言からも大幅に後退していることです。とりわけ問題なのは、提言で盛り込まれていた「自営業における女性の就業環境の改善」の項が削除されている事です。提言には、「女性は、自営業・農業等の担い手として重要な役割を果たしてきましたが、正当な評価を受けているとはいえません。自営業・農業等を振興するためにも、男女共同参画を確立する施策の推進がもとめられています」と業者婦人について取り上げられていました。中小業者は家族労働によって支えられているにもかかわらず、税制面でも控除対象にならないなど、家族の働き分は認められていません。特に業者婦人は、昼夜を分かたず働きながら、育児や家事・介護と自分の健康を省みる余裕も無い状況です。家族の労働と健康の実態調査をまず行う事。そして、女性が快適に働くための条件整備など、施策の充実を図る事が求められています。1999年に参議院では「男女共同参画社会基本法によって業者婦人の人格が平等に認められる施策の充実を図り、安心して営業と生活ができるように」として「業者婦人の地位向上と実態調査」を求める請願が、全会一致で採択されているのに、なぜ削除されたのでしょうかお答えください。第1次行動計画では、さまざまな女性団体や市民に広く意見を聞き進められてきました。しかし、今回の素案は、簡単なダイジェスト版で11月30日までの市民の意見募集に終わっています。説明会や公聴会をきめ細かく開き、多くの女性の意見が反映できるものにすべきです。これらの事を総合的に考えても、第2次行動計画からの大きな後退になっているでは有りませんか。実行あるプランの制定にむけて、市長の考えをおきかせください。
<高木副市長>
・素案は懇話会の提言を踏まえて策定。基本理念は「男女が等しく個人として尊重され・・個性と能力を発揮できる男女共同参画社会の実現」とある。「平等・開発・平和」は、国際交流・協力による国際社会への貢献として、具体的施策に入れている。
・シェルターの設置は、法に基づき都道府県が設置することとなっている。本市としては母子生活支援施設で一時保護を実施しているが、府との連携を深めこれらの施設を活用した取り組みを進める。
・女性の就業環境の整備については、プランで在宅就業の視点も取り入れており、働きやすい環境づくりに向け調査・研究に努める。
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ゴミ減量計画ー思い切った減量策を
最後に、モロッコのマラケシュで開かれていましたCOP7で、京都議定書の運用ルールが合意され、ようやく日本政府も批准する方針を決めました。二酸化炭素などの温室効果ガスを削減する義務が課せられますから急いで環境問題に取り組まなくてはなりません。そこで中でも重要な位置を占める、京都市のごみ減量計画についてお伺いいたします。京都市は1999年6月に「一般廃棄物処理基本計画」8月に「ごみ減量・リサイクル行動計画」を発表しました。ごみ減量目標を2010年に1997年の15%まで削減するというものです。家庭系ごみで10%、事業系ごみで20%の実質削減の方向がだされていますが、計画発表から2年が過ぎ、現状はどうでしょうか。2000年レベルでは、家庭系ごみが約5,000トン減っているのに比べ、事業系ごみは約24,000トン増えています。総量で約18,000トンの増量になります。このままでは、減量計画が目標だけに終わりかねないのではありませんか。何処に原因があると考えられますか。既に2年が過ぎています。計画の始めの段階で減らす事ができなかった原因を明らかにし、ここで思い切った減量策をとる必要があるのではないでしょうか。ひとつには、ゴミとなるものをつくらない、排出抑制です。1984年全国に先駆けて「空き缶条例」を制定したように、京都市が国や企業に言うべきことをはっきりといい、生産者責任・デポジット制度・学校教育に取り組む事です。2つには、かん・びん・ペット等資源ごみの分別収集です。ゴミを減らすために分別しても持っていくところが無いのが現状です。これを改めて、分別・リユース・リサイクルのシステムを作ることです。そして、3つめにはごみ減量計画にみあった、焼却炉削減等の施設整備計画となるように抜本的見直しをすることです。年次計画目標と具体策を決め、思い切った減量策を取る事を求めます。
東部山間埋立地に建設計画のある焼却灰溶融炉について
東部山間埋立地に建設計画のある、焼却灰溶融炉については、京都市で初めての施設でもあり、高温で焼却灰を溶融することから、周辺住民に不安を与えています。まず、安全性を解明し、本当に安全で有効な施設であるとなれば、住民に納得の行くまで十分に説明をする事が第1ではありませんか。埋立地を少しでも長期にわたって使用するためにもゴミを減らす事は、緊急の課題です。15%削減計画は、環境を守るための第1歩です。必ず目標達成をするための具体策と決意をお聞きしまして私の質問といたします。
<上原環境局長>
・家庭系ごみが減少しているが事業系ごみのクリーンセンター持込ごみが大幅に増加し全体として増加となった。持込ごみの抑制へ本年7月から経済的インセンティブを働かせ、持込量の上限設定など取り組んでいる。今後、家庭系ごみの発生抑制、リサイクル、事業所への指導強化、各種リサイクル法に基づく再資源化、着実なごみ減量を図る。
・焼却灰溶融施設は技術的に確立され安全かつ減量に有効として全国に40箇所以上ある。住民には今後とも十分な説明をし理解と協力を得てすすめる。